最近、被害者以外の方からのご連絡やご質問もいただくようになりました。
ありがたいことです。
ある読者様(30代男性、Web広告関係)からの素朴な質問が届きましたので、ここにシェアさせていただきます。
歌舞伎町ぼったくり被害|素朴な質問&私からの回答
質問
私が直接被害に合ったわけで無いのですが、友人が昨月歌舞伎町で被害にあったこともあり、新宿で飲むことも多いので調べているうちに青島様のサイトに行きつきました。もしもの時の知識としてと思いお問い合わせさせて頂きました。
ぼったくりの場合基本的に
・自分は普通に飲んでいる(セットの気持ち)
・キャストが大量にお酒を飲む(勝手に)ということが多いと思いますが、警察の対応として「民事不介入」ということや実際にどのような説明を受け店に入り、どのようなサービスを受けたのか(飲み方をしたのか)がわからないから守ってあげられないよ。
というような対応なイメージを持ちました。ここで疑問なのですが、
店側に対して
「このような注文はしていない」→許可もなく勝手に飲んだ女性の費用は不当
(※最初の1杯は「許可」したがあとは勝手に頼んでいたなど)
ということで勝負することは出来るのでしょうか?
回答
できます。理屈の勝負です。注文していない=払う義務があるわけないということを最後まで主張し続けられるかどうかです。
質問
もちろん店側は「許可」があって注文に至ったと反論してくると思いますが、「許可」があったかなかったかについてはどちら側としても「証明するすべがない」ため、必ずしも一方のみを責めることはできないとなるのでしょうか?
回答
頼んでいないのであれば、頼んでいないと主張し続けることが正しいことです。
そこを屈してしまうかどうかがまずは第一段階です。
皆、そこで屈してしまうのです。
主張し続ける、支払いを拒み続けることができるかどうかの問題です。
質問
上記から「注文の意志」があって初めて支払い契約が発生するのではないかと思うので上記であれば最低限の費用(セット料金+最小限の飲み物代)で済むのでしょうか?
回答
理屈でいえばそうです。
ただ、通例、セット料金とは別料金の飲み物があったり、女性のドリンク代は別だったり、ということで(ぼったくり店ではない普通の店舗でもそのようなお店があるのだと思うのですが)、ぼったくり店はそこをついて、セット料金とは別などと称して、延々と過剰請求を行なっているという状況です。
こちらがすべき反論は、それも含めてセットと聞いている、ということです。
お店側の言い分もワンパターンですので、もう本当に反論し続けられるか、反論する気力をどこまで維持できるかといったレベルの話です。
店
キャッチの言ったことは知らない(キャッチをそもそも使っていない)
反論
うそをつくな。しらをきるな。キャッチを使っているかどうかはどうせ後で必ず証明される。
店
細かい料金を確認しない客がわるい。
反論
最初に説明しない店が悪い。常識的な金額であれば説明しないのもありうる。相場とかけはなれた金額である以上、最初に説明しない店が悪い。
こちらは、最初に本当に◯◯円だけでいいかどうか確認したはずだ。
店員(なり客引き)がOKというから入店した。
後になってから別料金があるなんて話をするな。
等々とこのような応酬をやり通せるかどうかという問題です。
被害者はそれがなかなかできません。
なぜか?
私があちこちで指摘していますが、交番の対応に大きな原因があります。
質問
また、・料金の説明を受けたか。・注文の許可をもらっていたか、については録音でもしていない限り、どちらも証明できないと思うのですが、この部分は水掛け論になってしまうのでしょうか?
回答
水掛け論であるのはそのとおりです。
しかし水掛け論であるというのは、裁判の場では必ずどちらかに不利益に働きます。
それが証明責任といわれるものです。
裁判で売買代金の支払いを求める原告は、被告との間で売買契約を締結した事実を主張しなければなりません。
その事実の証明ができない(証拠がない)と、裁判で原告は敗訴してしまいます。
つまり、証明責任を負わされた者は、その証明ができないと、自らの主張が認められないという形で決着がついてしまうのです。
裁判以外の場面でも、この証明責任の概念を考えることで、事態の収拾を図ることができることになります。
これをぼったくり被害の場合にあてはめて考えてみます。
料金の説明をした事実の証明責任がお店側に負わされているとみるべきか、そんな話は聞いていないという事実の証明責任がお客さん側に負わされているとみるべきか。
交番の対応(店側の言い分も)は、この水掛け論の立証責任がなぜか客側にあるかのような対応をしているというのが、大間違いの根本です。
交番は、両者の言い分が平行線で水掛け論だなと判断したのであれば、双方の言い分の核となる事実の証明責任はどちらにあるのか?ということを考えなければなりません。
被害客としては、
「こんな高額請求になるような料金体系の説明を受けていない」
「店が相場から外れた料金体系(例えば女の子のドリンクは1杯7,000円。あんな安物のワインがあんな少量で1杯500円でも高すぎるぐらいなのに、それを7,000円だなんて。。))を採用していることについて、客に説明したかどうかは、店側が証明責任を負っているというべきである」
「今の水掛け論の現状であれば、店側は、その説明をした事実の証明責任を果たせていない以上、私たち客側が、店側の高額な支払い要求に応じるべき理由はない!」
「水掛け論で不利益を被るのは、この場合、店側である!!」
という理屈を主張すべきということになります。
さあ店員さん、早く証明してください。
証明ができない以上、我々も支払う理由がありません。
そもそもそんな高額な請求をされると知っていたら、我々4名(たとえば)は入店してませんから。
我々客と店側の言い分のどちらに信用性がありますか。どう考えても店が嘘をついているにきまっているではありませんか!
と延々とこちらもこちらの言い分を、相手に証明責任があることを主張し続けることができるかどうかの勝負です。
お巡りさんの目の前で。
しかし、みんなこんな勝負やってられずに、いいくるめられてしまうわけです。
なぜか?
お巡りさんは、水掛け論だから当事者同士で話をして、などといって、助けを求めに来たお客さん側を突き放し、何も味方してくれません。
そして、最後にはお客さんの心が折れてしまうのです。
お巡りさんは「証明責任」というものをまるで理解しないまま、民事不介入などと言いながら、「証明責任」をお客さん側に負わせるようなことをしてしまっているのです。
店側が(ちゃんと料金を説明していたという事実について)証明責任を果たせないのであれば、今日は一旦これで解散、どうしても不服なら、店側が裁判に訴えるしかないよ、はい今夜はこれで解散!というのが、「証明責任」をぼったくり店側に負わせた形での決着なのですが、なぜかこのような処理を絶対しないのです、交番のお巡りさんたちは。。
質問
確かに上記を悪用するケースもあると思うので一概に利用者側が被害者ということも無いとは思いますが、上記を元に一般的に考えて「●●円しか持っていない」のに「短時間で何十万円」も意図的に利用することは不自然ではないか?ということは出来たりするのでしょうか?
回答
おっしゃるとおりです。それが経験則です。通常の◯歳の男性が、~~という状況で、~~という説明を受けていたとしたら、~~こんな店に入っているわけないではないか!そんな私(達)が入店していたというそのわけは、事前にキャッチが~~と言ったから、店員が~~と言ったから(or言わなかったから)という理詰めの主張を展開するということになります。
このへんの議論が、交番のお巡りさんはまるでダメなのですよ。
歌舞伎町ぼったくり被害|読者様からのお礼
おせわになります。
★★です。ご丁寧な返信まことにありがとうございます。
また、自分の考えも大筋はあっているようでよかったです!一人のときは基本的に居酒屋でもキャバクラでもキャッチは絶対信用しないのですが、
やはり友人などと一緒にいる場合は、友人のノリでということもあったりしますので、
とても勉強になりました。ありがとうございました。
回答
はい。こちらこそありがとうございました。
たしかに、友人同士のノリというのは注意しないとあぶないかもしれないですね。
歌舞伎町ぼったくり被害|皆さまからのご質問等お待ちしております
皆さまも、もし素朴な疑問、質問がございましたら、遠慮なくお知らせください(お問合せフォームはこちら)。
こんな感じで回答いたします。
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